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【Africa Daily】なぜアフリカ域内貿易は増えないのか?

2021/04/20

Africa Daily ウガンダ ボツワナ

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【Africa Daily】なぜアフリカ域内貿易は増えないのか?

今日のエピソード


BBC World Service - Africa Daily, Why isn’t there more trade between African countries?

The African Continental Free Trade Agreement is worth trillions of dollars

アフリカを語る時、ビジネスも重要な話題だ。しかし、アフリカ大陸内の貿易は全体の13%に過ぎない。アフリカ経済圏は12億人、2.5兆ドルの市場だ。なぜアフリカ域内で貿易しないのか?

アフリカ大陸自由貿易協定(AfCFTA: The African Continental Free Trade Agreement)がアフリカ54カ国の参加で発効した。90%以上の域内関税が撤廃される。これによりモノ・サービスのより柔軟な移動が可能になる。協定の目的は、購買の選択肢拡充と、各国経済振興にある。

ボツワナの経済コンサルタントに聞いた。

「アフリカの域内貿易はこれまで低レベルに推移しました。それが、AfCFTAを導入し各国の経済活発化への期待につながっています。ボツワナでもイギリスとの貿易はガーナと貿易するより容易です。ドイツへの物流コストはエチオピアへの物流より低コストで便利です。域内貿易は限られているのです。」

何が問題で、何が挑戦になるのか?

「第一に関税障壁です。紅茶の価格は、関税が課せられるためアフリカ産より中国産の物が安くなっています。AfCFTAにより、関税が下がり経済発展が加速するでしょう。第二に、物流遅延と腐敗の問題です。アフリカ諸国の多くは植民地時代の制度を引き継いでいます。アメリカやイギリスの規格化された商品を輸入するのは、ウガンダの商品を輸入するより容易です。ヨーロッパ市場はより利幅が大きく、流動性も高いのです。価格も、アフリカ市場はヨーロッパ市場より低く設定されてしまいます。」

市場へのアクセスの違いは明白だ。流通の自由があっても、最近ウガンダの砂糖はタンザニアへの輸出が認められなくなった。自国生産保護のため輸入できないというが、他の地域と異なる議論だ。

コロナの影響はどうか?

「コロナ禍は全世界のサプライチェーンに影響を及ぼしています。過去数ヶ月、アフリカ大陸への基礎材料の供給を難しくしていますが、一方で、アフリカ大陸内での原材料の供給と加工による付加価値創出への声も上がってきています。積極的な域内産業化です。」

商品への付加価値創出は多くの国が取り組む挑戦だが、付加価値をつけることはできるのか?ビジネスマンからコーヒー農家に転業した友人に聞く。

「私が生産するロブスタ種はビクトリア湖原産で、海抜1,200メートルのところで生産しています。コーヒー生産に戻ってきた理由は二つあります。一つ目は、コーヒーはウガンダでも最も儲かる商品であること、もう一つは、家族が代々コーヒー農家だったことです。民族紛争と商品価格の下落で、一度はコーヒー生産を辞めたのです。」

アフリカが原材料生産から付加価値の高い最終製品生産を目指すにあたり、障壁となることは何か?

「コーヒーのバリューチェーンでは、最終製品直前のレギュラーコーヒーが最も付加価値が高いです。1カップ2ドルのコーヒーに対し、コーヒー豆は1キロ2ドルです。1キロのコーヒー豆から何杯のコーヒーができるでしょうか。しかし、レギュラーコーヒーにするためには高い技術や腕、そして物流が必要です。ウガンダに欠けているものであり、ウガンダが豆市場に甘んじている理由です。一方で、アメリカやヨーロッパなどの大手コーヒーメーカーもアフリカを豆市場として見ています。彼らは加工プロセスをアフリカ域外で行い、大きな利益をあげているのです。」

コーヒー豆を他国に販売するのも容易ではない。物流網が貧弱だからだ。加工や物流ができれば、付加価値を確保できるとともに、新規市場への参入もできるかもしれない。

アフリカ各国は域外から多くのモノを輸入している。エジプトでは、コーヒー豆の70%以上をインドネシアなどから輸入している。AfCFTA導入の中で、なぜエチオピア、ケニアやウガンダ等アフリカのコーヒー生産国から輸入しないのか?

「インフラ問題、そして関税や手続などの障害があります。ケニアからエジプトへの販売契約ができたとしても、インフラ投資のための多額の資本が必要です。」

移動に関して、アフリカのパスポートは制約が多い。ウガンダ人が南アフリカに行くためにはビザが必要だが、イギリス人は不要だ。

「植民地時代の制度は今でもあり、ヨーロッパ人のアフリカでの移動は自由なのに、アフリカ人はそうではありません。これは、現時点ではAfCFTAの範疇ではありませんが、移動の自由は今後優先的に議論されるべきことです。サービス分野などは今後発展して行く分野であり、インフラは移動ができなくても頭脳の移動が重要になるのです。」

どの分野がこれから盛り上がっていきそうか?どこにチャンスがある?

「多くの機会が想定されます。真の付加価値創造が始まっており、AfCFTAの第二段階では投資と投資保護がポイントです。域外在住のアフリカ資本による、資源やデジタル産業への海外直接投資が注目される投資機会になるでしょう。

AfCFTAとREC(地域経済共同体)

今日のエピソードに登場するAfCFTAは、世界最大の自由貿易協定になるものです。アフリカでのモノ・サービスの貿易の自由化、ヒトの移動の自由化を謳っており、2021年1月に運用開始されました。第三段階まであり、アフリカ単一市場の形成とアフリカ単一通貨発行も想定します。

一方で、アフリカには自由貿易を目的とした6つの地域経済共同体(REC)があります。東アフリカ共同体、東南部アフリカ市場共同体、中部アフリカ諸国経済共同体、西アフリカ諸国経済共同体、など。

日本企業もアフリカ貿易に際し、こうした地域経済共同体の自由貿易制度をすでに活用していると言います。AfCFTAの運用が進めば、RECはいずれAfCFTAに統合されていくのではないかと思われますが、AfCFTAの運用が広がるまでは、RECの活用が有効とみられます。

アフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)の現状と運用に向けた課題(みずほ銀行 - PDF)

BBC Africa Dailyでアフリカを知ろう

BBC Soundsで配信されるAfrica Dailyのエピソードを聴いて、英語ヒアリングの練習と一緒にアフリカの出来事に目を向けてみる記事。平日毎日配信されるエピソードをなるべくカバーするよう頑張りますが、無理のない範囲でやります。また、エピソードに関連する情報や気になることも合わせて付け加えます。

なお、記事の内容はエピソードを個人でヒアリングの上あるだけの知識で意訳しているもので、誤訳や解釈などから生じるいかなる不利益にも責を負いません。

また、エピソードの配信期間は配信初日から1年です。




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