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【ソマリア】なぜソマリアは膠着状態なのか?

2021/05/02

Africa Daily ソマリア

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【Africa Daily】なぜソマリアは膠着状態になのか?

今日のエピソード


BBC World Service - Africa Daily, Why is there a deadlock in Somalia?

Delayed elections. Politicians at odds. Violence in Mogadishu. What’s Somalia come to?

ソマリアの政治情勢が急速に緊張を増している。

モガデシオの周辺では先週には暴動も起こっている。こうした政治的緊張の根源は、どのように選挙を行うか、にある。


発端は、大統領の任期を2年延長することを決めたことである。これを端緒に、モガディシオでは野党勢力と政府の治安部隊が衝突している。その結果数千人の市民が家を捨てて避難を余儀なくされ、生活にも影響が出ている。

政府は、直接選挙の実施を公約にしてきたが、2020年初あたりから、公約が守られないのではないかとの疑念が野党に広がってきた。


ソマリアは連邦制をとっている。一方、地方政府は大きく氏族ごとに5つに分けられている。連邦政府と氏族が取り仕切る地方政府の方向性の違いが問題になっているのだ。
大統領は5つの内3つの地方政府を掌握しているが、残り2つは大統領の影響外であり、これが問題を複雑にしている。

氏族はソマリアの政治にとって重要だ。少数氏族を束ね、一つの氏族を形成していく。大統領・首相・議会の議長とそれぞれ異なる氏族出身者が席を占める。
氏族の主義主張がソマリアの政治に反映されていく。これが問題であることは既に指摘されていることだ。


選挙の議論は長く続いたが、与野党の協議は実り、昨年9月に選挙方法について合意を見たのである。各地の長老たちが国会議員を選び、その国会議員が大統領を選ぶ方法だ。

そして、詳細を詰めるための議論が続いたが・・・

議会は大統領の任期を2年延期する決議をしたのだ。

議論が続く間に、議会は大統領の任期を延長し、政府に2年の内に直接選挙を実施検討を指示した。9月の合意は崩壊し、人々は氏族に拠るようになってしまったのだ。

ソマリアでは、氏族のアイデンティティが強い。ある氏族出身の大統領が任期延長を決めれば、他の氏族は蜂起するだろう。ソマリアでは武器は至る所にある。政治家たちもあっという間に武装派になってしまうのだ。


モガディシオでは、武装勢力が街の各地区を支配しており、市街戦等により10万人以上が家を追われている。ソマリアは既に各地でテロ組織の被害を受けており、更に事態を悪化させるものだ。

10年前にはテロ組織を追いやり、最近は平穏であったモガディシオの市民たちは恐怖と将来への不安を感じている。さらに、モガディシオだけでなくソマリア全土にこうした動きが広がりかねないことを懸念している。

ところが、モガディシオ市民やソマリア全土、そして世界が注視する中、火曜日に大統領は2年の任期延長を取り下げた。国内外からの強い圧力に屈し、昨年9月の合意も改めて確認された。

しかし、大統領は引き続きその任につくのか?

議論は振出しに戻ったばかりだ。主要な論点として野党はアフリカ連合による治安維持を求めているが、大統領は反対だ。

モガディシオの市民たちはこの状況でも、議会の合意により治安と全土が安定することを期待し、大統領による任期延長返上は歓迎している。

ソマリ族と氏族

ソマリアの人口は約1,200万人ですが、そのうち85%をソマリ族が占めます。すなわち、ソマリアは単一民族度の高い国家です。にもかかわらず内紛が絶えないのはなぜか。今日のエピソードで指摘されている氏族(しぞく)の力が強いことが原因とされています。

氏族とはクランとも呼ばれ、父系制を基礎とした血縁集団とされています。いくつかの主要氏族があり、言語・文化・宗教面では共通でも、帰属意識は国家や民族よりも氏族の方が強い、ということになります。

氏族のなかにさらに血縁集団が細分化されており、最小血縁集団ディヤは数百から数千人の単位になるとのことです。ディヤは相互扶助組織で、長老や宗教指導者が、日常問題や氏族間の紛争といった問題を解決すべく指導しています。

このような仕組みの中で、政府を設け国家として運営すること自体が容易ではないことは想像にも難くないことです。しかもソマリア人の3分の2は遊牧民とのこと。ソマリア連邦共和国の前身であるソマリア共和国がイギリス・イタリア植民地の合併によるものであることを考えると、氏族と全く関係ない枠組みでは機能するはずもなかったのか、内戦後に連邦制としたのも理解できる気がしますし、それでもまだ国家の限界をも感じるところです。


参考:外務省データ(PDF)

BBC Africa Dailyでアフリカを知ろう

BBC Soundsで配信されるAfrica Dailyのエピソードを聴いて、英語ヒアリングの練習と一緒にアフリカの出来事に目を向けてみる記事。平日毎日配信されるエピソードをなるべくカバーするよう頑張りますが、無理のない範囲でやります。また、エピソードに関連する情報や気になることも合わせて付け加えます。

なお、記事の内容はエピソードを個人でヒアリングの上あるだけの知識で意訳しているもので、誤訳や解釈などから生じるいかなる不利益にも責を負いません。

また、エピソードの配信期間は配信初日から1年です。


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