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【ナイジェリア】ナイジェリアはなぜ治安危機なのか

2021/05/10

Africa Daily ナイジェリア

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【Africa Daily】なぜナイジェリアは治安危機なのか


今日のエピソード

この数週間、ナイジェリアの大統領は治安問題の高まりに関して、反発を受けている。支援者からもだ。議会は、大統領に国家危機宣言を発令するよう迫った。

ナイジェリアの治安部隊は、各地でイスラム過激派、武装派や犯罪グループからの攻撃を受けている。4月だけで数百人が殺害された。

なぜ、ナイジェリアは治安危機に直面しているのか?しかも各地で。


各地の状況はどうなっているのか。ナイジェリアの治安アナリストに聞く。

「同時的危機の観点から、ナイジェリアを6つの地域に分けて見ることができます。」

「北東部では、ボコ・ハラム等イスラム系過激派が誘拐などで暗躍しています。北西部では、最近治安悪化が顕著ですが、過去10年間で1万1千人の命が武装派に奪われています。北部中央部では、キリスト教の農民とイスラム教の牧夫との抗争が激化しています。」

「南東部では、反政府独立派による活動がこの数カ月で激化しています。1960年代後半の内戦により1〜3百万人の市民が殺害されたとされていますが、過去数カ月で独立派の再興を目指すグループによる政府や治安関係者への攻撃が強まっています。」

「石油資源が豊富な南南部では、2009年に和平合意に達したグループが活動を再開、外国人誘拐などの海賊行為を行っています。南西部では、北部から来たイスラム教グループによる誘拐が盛んです。」


ナイジェリアのそれぞれの地域が、治安の悪化に直面している。が、治安の問題は10年以上前からのことだ。「悪化」している、とはどういうことか。

「武装派の手口はより大胆になっています。例えば北西部では、以前は個人ベースの誘拐だったのがグループになり、今では村が襲撃され数百人が連れ去られるようになっています。ボコ・ハラムも、以前はナイジェリア軍との攻防では劣勢でしたが今では互角です。ある村は、ボコ・ハラムに占拠されている5日の間ナイジェリア軍が手を出すこともできませんでした。」


ボコ・ハラムは、最近では周辺の武装グループに浸透しつつある。これはどれだけ大きな問題なのか。

「これはとても危険なことです。北東部で、ボコ・ハラムを通じた身代金のやりとりなどが見られますが、これは、北西部のボコ・ハラム活動の供給源となり北東部に進出していることを示しています。また、北部中央部の武装派の活動にもイスラム過激派が浸透しています。」

「ボコ・ハラムは技術的にも武装もレベルが高くなっており、他過激派との連携により、技術やノウハウを過激派に移転しています。」

ボコ・ハラムが影響力を強めることの戦略的意味は何か?

「ナイジェリア北西部が面する、サヘル地域とチャド湖地域にいるイスラム武装派と繋がる可能性があります。ボコ・ハラムの連携により、サヘル地域とチャド湖地域の過激派の架け橋になるかもしれません。」


大統領は2015年にボコ・ハラム撲滅を公約した。どうなっているのか。

「最初の2年は制圧はうまく進み、ボコ・ハラムの勢力は縮小していました。問題は、大統領が早すぎる段階で勝利宣言してしまったことです。北西部では、武装派制圧に力を入れていなかったので、ボコ・ハラムではない武装グループが暗躍していたのです。」

「ナイジェリア市民の政府への批判は高まっています。北部だけでなく、南東部でも、政府の不作為をきっかけとする武装派の攻撃が生じています。大統領は離任し、軍部が法と秩序を回復するべきだという声も出ています。こうした全てが、ナイジェリア人の不満を表しています。」


市民の怒りは高まり、政府には悪化の歯止めへの対応を求める声もある。しかし、これだけ広範な攻撃に対し、軍は対処できるのか。

「軍は幅広く展開しており、指導力や人的資源への疑問があります。ナイジェリア警察も能力不足です。資金も、人材も訓練も足りません。軍がある地域を掌握しても、警察が治安維持することができません。」

「まずは軍の能力強化が重要です。十分な武装と通信機器が必要です。しかし、その後には根本的な原因を解決する必要があります。失業や識字率など、国全体にわたる問題です。」

ナイジェリアの治安問題の背景には、脆弱な経済、コロナ禍、石油価格下落などあり、失業率の改善や治安強化のための資金供給は、言うは易し、だ。

大統領は、軍による治安改善への取組の確約と関係諸国との連携を表明、そのために必要な資力について議論しているとのことだ。

ナイジェリア内戦

ビアフラ戦争とも呼ばれ、1967年から70年にかけて、ナイジェリア東部のイボ人が、ナイジェリアからの独立を目指したことにより起こった内戦です。ナイジェリア連邦軍によるビアフラ包囲により、ビアフラは激しい飢餓、栄養失調に見舞われ、多数の死者を出したとされています。

イボ人はナイジェリアの三大部族の一つですが、主力のフラニ人からは相対的に地位は下に見られています。一方、イボ人が多い東部は土地が肥沃であり、牧夫である北部のフラニ人は牧草を求めて南下してくるのです。それにキリスト教信仰であるイボ人とイスラム教徒であるフラニ人、と現在のナイジェリアの対立構図は50年前から変わらないものです。

部族・宗教・経済と多くの要素が重なり合う中での問題解決は、まさに言うは易し、実際は相当複雑ということがわかります。

BBC Africa Dailyでアフリカを知ろう

BBC Soundsで配信されるAfrica Dailyのエピソードを聴いて、英語ヒアリングの練習と一緒にアフリカの出来事に目を向けてみる記事。平日毎日配信されるエピソードをなるべくカバーするよう頑張りますが、無理のない範囲でやります。また、エピソードに関連する情報や気になることも合わせて付け加えます。

なお、記事の内容はエピソードを個人でヒアリングの上あるだけの知識で意訳しているもので、誤訳や解釈だらけかもしれません。これらから生じるいかなる不利益にも責を負いません。

また、エピソードの配信期間は配信初日から1年です。


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