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【Africa Daily】アフリカの債務はどれだけ深刻なのか

2021/05/18

Africa Daily ケニア ザンビア

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【Africa Daily】アフリカの債務はどれだけ深刻なのか
(写真AC)

今日のエピソード

2019年にザンビアの当時の財務相と話した時は、対外債務の高比率を懸念しながらも投資があれば大丈夫と言っていた。翌年、ザンビアはコロナ禍以降、アフリカで初めての債務不履行国になった。

アフリカ大陸で多額の債務に苦しむ国はザンビアだけではない。国連によれば、アフリカ各国は3,000億ドル以上の対外債務を抱えている。コロナ禍での経済状況は返済をさらに難しくしている。アフリカの債務はどれだけ深刻なのか。


最近、ケニア・セネガルなどのアフリカ諸国の首脳と先進国の代表、世界銀行や国際通貨基金(IMF)がパリに集結した。どれほど重要なものなのか?Bloombergの記者に聞く。

「首脳会議はアフリカ各国、特にサブサハラ諸国の公的債務について議論をしたのです。これらの国の公的債務の対GDP比率は56%になっています。ザンビアを始め17の国々では公的債務の負担が過大か高リスクになっています。」

「これまで、こうした国々の元利返済は滞りなく行われてきましたが、コロナ禍において税収が激減、債務のリスケジュールやリストラクチャリングもしくは減免せざるを得なくなっています。」


なぜパリで会議を?

「もちろん、アフリカのどこでもできることです。しかし、ほとんどの債権者は西欧にいますし、この状況下皆にとって移動が容易な場所が選ばれました。」


「アフリカ諸国では特に2000年以降、巨額のインフラ投資がおこなれてきました。道路や病院、教育施設などの改善のためです。これらの設備は、1980〜90年代は軽んじられてきました。こうした設備を作るためには、金を借りる必要があったのです。市中銀行は融資に難色を示しましたが、西洋諸国や中国が資金を拠出したのです。」

3,000億ドルもの債務のうちで、コロナ禍はどれほどのインパクトがあるのか。

「国によりますが、ケニアのケースでは、コロナ禍が始まった2020年初旬の税収は20〜25%の減収になっています。ケニアの債務返済額は巨額です。金利支払いだけで40億ドルです。税収140億ドルの1、2割が減少したら、債務返済を維持するためには支出を抑えるしかありません。しかもケニア法上、債務返済は優先順位が高いのです。政府の支払に順番をつけると、債務返済は第一順位です。」

つまり、政府が福祉などに支出する前に、公的債務を返済しないといけない、ということか。

「その通りです。債権者からすれば、貸した金を回収しなければいけないのです。」


生産性向上のためのインフラ投資に使う資金を借り入れるサイクルは、コロナ禍のような異常事態になると、サイクルを廻し続けるための支援が必要だ。BBCの記者に、会議の議論について聞いた。

「重要なことは、各国を債務の重荷から解放することです。アフリカ各国はほとんどを大陸街市場に依存しています。世界銀行は各国がコロナ禍から抜け出すための金融支援の必要性を説いています。会議にはG20 の各国、IMFや地域開発銀行、大手金融機関などが揃っています。アフリカ諸国がコロナ禍から脱出するためには、債務整理が必要なのです。」


債務問題は政府や金融機関には大きな問題だが、一般市民へのインパクトはあるのか。

「様々にあります。市民の中には、IMFがさらに支援すべきと言う者もいます。債務のインパクトは、今は感じられませんが長期的に影響があります。債務が積み上がれば、金利返済のための税負担も重くなりますが、短期的には危機は感じられません。債務は40〜50年後には返済されますが、税負担などを通じてそれを払うのは、次のその次の世代の話なのです。」

納税者の中には、調達資金の使途と実効性について疑問を持つ者もいる。例えばケニアでは、IMFのコロナ禍対策支援の3年財務パッケージを受け入れない動きもあるが、市民はどう見ているのか。

「今のところ、現状容認の様相でしょう。実際のところ動きはそれほど強くありません。融資拒否することはできますが、その場合の経済への影響は甚大です。融資なしで財政赤字をゼロに戻すためには、収入の範囲でのみ支出することとなり、例えば給与の遅配など大きな資金の問題を引き起こすことになります。」

「IMFの融資は、統制的な支出を行う余裕を作り出すものです。そして、返済は他と比べて超長期です。資金使途は重要なことです。一部の政府機関は明確な監査を行っていますが、政府に説明能力がありません。」


アフリカの債務問題を改善するにはどうしたら良いか。

「まずは現在の条件を明確に評価することです。いくら・どのような条件で誰から借りているのか。締結済の契約で地雷のように埋没している条件を洗い出し、改善する必要があります。次に返済繰延や債務整理を急ぐ必要があります。同じように重要なことが、政府支出の見直しです。政府機能の縮小は避けられません。音楽が止まった時、本当のパーティーが始まるのです。」

パリでの会議はまだ続いている。

アフリカの債務

アフリカ各国の債務危機については、昨年後半より指摘の声が強まってきました。特にザンビアが2020年11月に債務不履行となり、懸念が顕在化したと言えます。今日のエピソードでも指摘されている通り、その背景にあるのはコロナ禍だけはなく、過剰なインフラ投資と中国など各国の多額の融資、不透明な返済条件といったもののようです。

では、実際に各国がどのくらい債務があるのでしょうか。なかなか一覧になったものが見つかりませんが、世界銀行が毎年「国際債務統計」を発表しています。世界銀行のデータベースはデータそのものだけでなく視覚に訴える加工がされているものも多くありますので、どうぞご覧ください。貸し手としての中国の存在感も実感することができます。


世界銀行 - 国際債務統計(世界銀行ホームページ)

BBC Africa Dailyでアフリカを知ろう

BBC Soundsで配信されるAfrica Dailyのエピソードを聴いて、英語ヒアリングの練習と一緒にアフリカの出来事に目を向けてみる記事。平日毎日配信されるエピソードをなるべくカバーするよう頑張りますが、無理のない範囲でやります。また、エピソードに関連する情報や気になることも合わせて付け加えます。

なお、記事の内容はエピソードを個人でヒアリングの上あるだけの知識で意訳しているもので、誤訳や解釈だらけかもしれません。これらから生じるいかなる不利益にも責を負いません。

また、エピソードの配信期間は配信初日から1年です。


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