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【Africa Daily】学生の奨学金返済はどれほど深刻なのか

2021/05/30

Africa Daily ケニア

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【Africa Daily】学生の奨学金はどれほど深刻なのか

(写真AC)

今日のエピソード

BBC World Service - Africa Daily, How did student debt get this bad?

Thousands of young Kenyans are struggling to pay off their student loans.

学校を卒業するのは、人生の新しい章の幕開けだ。そして、奨学金はいつ返せるのか。生活費は支払えるのか、両親の援助は必要か?いつでも大変なことだが、コロナ禍はさらに難しいものにしている。

ケニアでは昨年8万5千人のコロナ禍やその前からの失業により奨学金返済が滞った。国営の高等教育債務機構は、金額は8,800万ドル相当に達するという。

「私は、ジャーナリズムとマスコミ学を学んで昨年12月に卒業しました。最初の2年間は、学業と仕事のバランスを保つのに苦労しました。2年目には学費が払えず試験を受けられませんでした。融資が間に合わなかったのです。これで卒業が1年遅れました。」

25歳、ナイロビの大学の卒業生は900米ドル相当を借りている。国営の機構からの借入により、市中銀行からの借入と比べて金利を抑えることができている。返済は卒業の1年後から始まる。金利は4%と割安だが、卒業したての若者にはプレッシャーだ。

「新人にとって、コロナ禍での仕事探しは大変です。1月から就職活動をしていますがまだ見つかりません。返済も、金利も支払いもできないのです。」

「どうしたら良いのかわかりません。金利は割安とはいえ、私のような若者の失業者には負担です。」

周りの学生や友達はどうか?

「周囲は、8割がた同じ状況です。家族も助けにはなりません。私の兄も仕事を探しています。父親も十分な財力がありません。年内に仕事を見つけて、来年から返済を始めたいと思います。」


学生が返済できなるケースは少なくない。教育ジャーナリストに聞く。

「返済資金は次の融資へと廻っています。」返済が滞れば、次の融資の原資がなくなり、将来の学生は融資を受けられなくなるのだ。

「過去5年ほど、ケニアの経済は下降しています。つまり、学生は卒業後就職が難しくなっているのです。これは返済開始遅延につながっています。」


コロナ禍は公共厚生だけなく世界経済にも影響している。機構への影響はどうか。

「機構は、新たな貸付の希望に応えられなくなっています。」今年、9万5千人の学生が融資を受けられなかったという。一部の学生は退学を余儀なくされる。

機構の予算削減と返済停滞により新規貸付が難しくなっていることについて、ケニア政府にインタビューを求めたが回答はない。


この問題をどう解決するのか?金利を下げる?機構は懐疑的だ。議会は、返済を期間5年に繰り延べることを検討している。

「卒業後1年での返済開始は早すぎます。就職まで数年かかるのです。」ジャーナリストは、重要なのは地方自治体による新しい形の貸付を進めることだという。


仕事はすぐには得られないが、その間できることはあるか。

「多くはありません。私は生活費も払わなければいけません。生活費を払いながら融資を返済するのは現実的ではありません。仕事も週2、3日しかありません。」

「借金癖があるわけではありません。借りざるを得なったのです。新生活を始めるにあたり、借金は返済しておきたいのです。」


将来への希望はあるか?

「将来への望みは捨てません。夢はあきらません。うまくいかなくても、食いつないでいますから。将来は政治家になって、困っている人々を支援するのです。」

奨学金

日本でも、奨学金の返済は容易なことではありません。奨学金の返済について、日本学生支援機構の調査があります。


それによれば、そもそも返済義務があることを知らなかった人がいることが指摘されています。特に、延滞者のうち半数は返済義務があることを知らなかったとのこと。奨学金も有償と無償があるわけですが、どういう条件の奨学金なのかは、奨学金を申請するときに確認しておくべきではあります。

延滞してしまう理由は、家計の収入不足、本人の低所得が理由となっており、コロナ禍かはともかく、卒業後の収入不足が返済遅延に繋がる構図はどの国でも変わらないようです。

その一方で、奨学金がどのように役に立ったか、という質問では、延滞者でも約6割が「進学可能になった」と答えており、奨学金が教育振興に貢献していることは明らかでしょう。

より良い教育を受ける機会をもたらす一方、金融債務である奨学金をどのように返済していくか、どこでも大きな問題のようです。

BBC Africa Dailyでアフリカを知ろう

BBC Soundsで配信されるAfrica Dailyのエピソードを聴いて、英語ヒアリングの練習と一緒にアフリカの出来事に目を向けてみる記事。平日毎日配信されるエピソードをなるべくカバーするよう頑張りますが、無理のない範囲でやります。また、エピソードに関連する情報や気になることも合わせて付け加えます。

なお、記事の内容はエピソードを個人でヒアリングの上あるだけの知識で意訳しているもので、誤訳や解釈だらけかもしれません。これらから生じるいかなる不利益にも責を負いません。

また、エピソードの配信期間は配信初日から1年です。




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