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【南アフリカ】ズールーの王位を継ぐのはだれか?

2021/05/09

Africa Daily 南アフリカ

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【Africa Daily】ズールーの王位を継ぐのはだれか?


今日のエピソード

BBC World Service - Africa Daily, What next for the Zulu throne?

The Zulu nation is mourning its Queen’s death, but it’s unclear who will succeed her.

ズールー王国の女王が金曜日に死去した。ズールーの部族民は女王の死を悼んでいる。

マンフォビ女王はズールーの民1,100万人に影響を及ぼす重要な人物だ。しかも、前の国王も3月に死去したばかりだ。そして、女王の後継選びは厳しい争いとなっている。何が問題なのか。


BBCの特派員に聞く。

「皆がこのことを話しています。ズールー王朝は何世紀も前に遡るものです。大陸でも、そして世界でも最も長い王朝の一つです。1879年にはズールー王国が英国軍を討ち破った歴史が、ズールー族が王朝を称賛し続けることにつながっています。1,100万人のズールー族が、文化・伝統・プライドを維持しています。南アフリカの一部になっても、ズールー王族は歴史的伝統の守護者なのです。」

「王族の役割は象徴的なものですが、長い王位の中で、南アフリカとズールー族はその文化を称えてきました。近代化と伝統とのバランスを取るものなのです。」

「マンフォビ女王はスワジランド出身でズールー族と結婚しました。南アフリカのズールー族との許嫁でした。ズールー族の先代国王の死後、後継の女王として認められたのです。女王は先代国王から摂政に任命されていました。そして、国王の後継者として指名もされていたのです。3ヶ月の喪が開けたら、女王は正式に元首となるはずでした。」


女王の死因は何か?

「女王の死は意外なものでした。死亡の原因はわかっていません。数週間、入院していることも明かされませんでしたが、突然王国の首相が、女王が肝臓の解毒治療を受けていると発表したのです。検死結果が数週間で出るでしょう。数年前の女王にまつわる毒殺未遂の噂があり、その噂が再来しています。」

もちろん証拠はない。

「女王の死が自然とは言い切れません。これまでにも入退院を繰り返していたのです。症状や容体は明らかにされていません。が、過去の噂と首相の発言が結びつくのです。」


では誰が次の王位につくのか。王の家系はどうなっているか?

「王には6人の妻が、28人の子供がいます。人間関係は複雑です。それぞれの妻に息子がおり、年長の男子が後継者となります。ことを複雑にするのは、夫人の一人はズールー族出身で、ズールー族が推しています。しかも第三夫人です。伝統的には第一夫人の家系が王位を継ぐことになっています。」

「後継者は地位が確立するまで安全を確保する必要があります。先代国王も戴冠後3年間身を隠したのです。」

「さらに、第一夫人は財産分与の裁判を提起しています。ズールー王国の財産の半分を求めているのです。そして正統な後継者としての地位も主張しています。マンフォビ女王は、自らのみが正式な手続きを踏んだ夫婦であると発言していました。」

そんな権力闘争のなか、女王は死去してしまった。

「王族の一部は王位継承を法に委ねることに賛同しています。しかし一方で、法廷闘争を通じた王国のタブーや先代国王に対する直接的な攻撃をよく思わない王族もいます。」


では、今後何が起きるのか?

「見通すのは難しいです。2つのプロセスが同時に走っています。第一夫人により提起された法廷プロセスと、王族による王位継承プロセスです。伝統や次の世代を見据えて、誰が後継者としてふさわしいか決めることになります。マンフォビ女王は彼女の長男を後継者に推していました。彼は46歳で米国で教育を受けていますが、権力掌握には関心がないとも言われています。」

「先代国王の喪中3ヶ月に、女王の喪も重なっていますが、法廷の判決が出れば、この議論がどこに向かうか、一つの指標になるでしょう。王族でも後継者の議論がされるでしょうが、長い伝統と先代国王の遺志のバランスを取ることが重要でしょう。」

ズールー王国

地図を探しても見つからない、ズールー王国。南アフリカ北東部に居住するズールー族が、19世紀に創建した国で、1870年代に大英帝国との戦争により滅ぼされ、英国の植民地を経て南アフリカの一部となりました。

ズールー王国はなくなりましたが、王族は存続し、1994年にズールーの土地を管理するIngonyama Trustが設立されたのです。これはズールー族の主な居住地であるクワズール・ナタール州の約30%をTrustが所有するもので、Trustがズールー族のための土地の管理や開発、社会福祉などを行うのですが、Trustは南アフリカ法により設立された公益法人であり、役員会などが設置されています。国王はいわば「会長」とでもいう位置付けになり、役員会メンバーでもあります。

そう見ると、権力闘争も会社の派閥争いのようなものかもしれませんが、このTrustでは、傘下にズールー族約1,100万人が控えています。これは南アフリカでも最大勢力の部族です。このズールー族の象徴としての役割を担うのは容易なことではなさそうです。


Ingonyama Trust(外部ウェブサイト)


BBC Africa Dailyでアフリカを知ろう

BBC Soundsで配信されるAfrica Dailyのエピソードを聴いて、英語ヒアリングの練習と一緒にアフリカの出来事に目を向けてみる記事。平日毎日配信されるエピソードをなるべくカバーするよう頑張りますが、無理のない範囲でやります。また、エピソードに関連する情報や気になることも合わせて付け加えます。

なお、記事の内容はエピソードを個人でヒアリングの上あるだけの知識で意訳しているもので、誤訳や解釈などから生じるいかなる不利益にも責を負いません。

また、エピソードの配信期間は配信初日から1年です。


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