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【ガンビア】違法漁業を止めることはできるか?

2021/05/13

Africa Daily ガンビア

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【Africa Daily】違法漁業を止めることはできるか?

 今日のエピソード


BBC World Service - Africa Daily, Can illegal fishing be stopped?

Illegal fishing is costing West Africa billions of dollars – but can it ever be stopped?

昔々は、西アフリカの海は漁師にとって周辺の村々を養うのに十分な魚がいた。もはや大きく違う。中国や欧州などから来る大規模な漁船団による違法漁業。彼らは凄まじい量の漁獲高を誇る。海洋保護のルールは無視だ。そして混乱をもたらしている。

全世界の40%の違法漁業が西アフリカで行われているという。環境だけでなく地域にも大きな影響を与えている。ある試算では、西アフリカの違法漁業による損失は20億ドルに及ぶとのことだ。地元民の小さなボートでは太刀打ちすることはできない。30万隻の漁船が廃業した。


ガンビアの環境ジャーナリストに聞く。

「ガンビアのほとんどの漁民は仕事を失いました。それどころか、地元では魚を食べることも難しくなりました。」

それでも希望もある。ギニア湾では調査センターが設立された。地域の違法漁業に立ち向かうためだ。しかし、何ができるのか。

違法漁業とは何か。西アフリカで操業する漁船団で、必要な許認可を受けていないものだ。時には保護地域でも操業する。底引き網のような国際的に禁止されている漁法を用いることもあり、絶滅危惧種への危険もある。

「違法操業者の狙いは遠洋魚やマグロです。」遠洋魚とは、ヒメジ、ナマズやタイなどだ。

「マグロは欧州へ、遠洋魚はアジアやアフリカの他の地域へ向かいます。遠洋魚は魚粉として、ベトナムの闇市場に出荷されます。」

「違法漁業は、希少種の保存にも大きな影響を与えます。また、ガンビアの地元にも影響を与えています。ガンビアは非常に貧しく、農業や漁業に依存しています。しかし、最近では魚の値段は急騰しており地元では買えなくなっています。さらに、魚は重要なタンパク源です。違法漁業が続けば、栄養失調になることが懸念されています。」


法に従い操業している漁民との確執も生じる。

「2020年には違法操業の漁船と地元の漁船が衝突しました。違法操業の中国船は、地元漁船の船員に熱湯をあびせて火傷を負わせました。」

ガンビア政府の調査結果は、地元漁船の船員はセネガル人で、火傷を負った船員は船長一人、そして事故はセネガル領海で起きたもの、とのことだ。しかし、船員はガンビアで治療を受けている。

「船員たちは危険を恐れて詳細を話そうとしてくれませんが、ある船員は中国船からの熱湯噴射で全身火傷を負ったと言っています。違法漁業者はガンビアで拿捕されても、法定書類が作成されないので、交渉で処置が決まるのです。」

周辺国ではどうか。

「セネガルやモロッコでは法体系が整っており訴追能力もありますが、訴追された例は見ません。」


調査センターは、こうした状況を改善しようとしている。ギニア湾沿岸諸国により設立されたのだ。事務局長に聞く。

「センターは二つの重要な機能を持っています。自動情報システムと船舶監視システムです。これによりギニア湾の船舶位置や保護地域での船舶活動を監視することができます。船舶が法を犯していれば訴追することもできます。」

「まずは情報を各国政府に提供します。そして各国での手続きがはじまります。許認可の剥奪や罰金などの法的手続きにつながるのです。」


ガンビアは調査センターの対象であるギニア湾から外れているが、違法漁業との戦いで支援を得る必要がある。しかし、違法漁業に対する広域的な対抗につながるのか?

「西アフリカでの違法漁業は主に、巨大な力を持つ中国により行われています。西アフリカの各国は、中国に対し債務や支援を受けています。もし各国と中国企業で問題が起きたとしても、どうしようもありません。債務や支援が受けられなくなる懸念があるからです。」

「ガンビアは守るべき権益を始め多くのものを失っています。そしてこれが続けば、ガンビアは食糧問題を抱えることになるのです。」

ガンビア漁業省はコメントを拒否している。

中国によるアフリカ支援

中国によるアフリカ諸国への支援については、すでに各所で取り上げられています。さらに、昨年はコロナ禍の状況を鑑み、中国によるアフリカ諸国への債務免除や返済猶予延長も行われています。


習近平国家主席、債務免除を含めたアフリカへの支援を表明− JETRO ビジネス短信

中国は2000年代初頭から、「中国アフリカ協力フォーラム」を組織し、アフリカ諸国を積極的に支援しています。遡れば、1953年から対外経済援助を行なっており、中国は長年にわたりドナー国としての役割を担っています。元々は、国連において中華民国(台湾)から中国代表の主導権を得るため、アフリカ諸国からの政治的支援を得ることが目的であったようです。今では、中国の経済成長を支える原料供給確保、一帯一路の終着点としての物流網の確保、安い労働・製造原価の確保、といったものを目指し、アフリカ諸国への働きかけを強めているとみられます。

アフリカ諸国でも中国からの支援に警戒感を示す国も増えているとも聞きますが、各国の経済成長と収入のバランスを考えると、どのような支援や借り入れを行うのが適当なのか、とても難しい問題なのだろうと思います。

BBC Africa Dailyでアフリカを知ろう

BBC Soundsで配信されるAfrica Dailyのエピソードを聴いて、英語ヒアリングの練習と一緒にアフリカの出来事に目を向けてみる記事。平日毎日配信されるエピソードをなるべくカバーするよう頑張りますが、無理のない範囲でやります。また、エピソードに関連する情報や気になることも合わせて付け加えます。

なお、記事の内容はエピソードを個人でヒアリングの上あるだけの知識で意訳しているもので、誤訳や解釈だらけかもしれません。これらから生じるいかなる不利益にも責を負いません。

また、エピソードの配信期間は配信初日から1年です。


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