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【Africa Daily】なぜ多くの人々は銀行口座が無いのか

2021/06/03

Africa Daily ウガンダ ケニア

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【Africa Daily】なぜ多くの人々は銀行口座が無いのか
(Unsplash)

今日のエピソード

BBC World Service - Africa Daily, Why are so many of us still unbanked?

How traditional banks struggle to reach African populations.


銀行は毎日の生活に欠かすことができないものだ。公共料金の支払から残高チェックまで、ほぼ毎日アクセスしている。
しかし、世界銀行によれば、世界の成人17億人が銀行口座やデジタル金融取引へのアクセスが無いという。そして、アフリカでは人口の60%が銀行口座を持たない「無口座」者だ。
これらの多くは農村部で定職も無い者だが、なぜまだ多くの人に銀行口座がないのか。


まずは、「無口座」について理解する必要がある。
ケニアを中心に世界で1万5千の金融代理店(Agent banking)を展開する会社のCEOに聞く。
「「銀行」という言葉の定義を従来のもので見れば、東アフリカでは9割の人々が銀行口座を持っていませんが、「デジタル」ということを考慮すると、ケニアの人口の7割がモバイル通貨を通じて銀行取引を行っていることになります。」
「しかし、モバイル通貨はまだクレジットや保証等の金融サービスに力を発揮しきれてはいません。モバイル通貨を通じて人々がもっとこの流れに参加する必要があります。」

アフリカ大陸全体では何割ぐらいが無口座で、モバイル通貨にアクセスしているのか。
「東アフリカでは、9割の取引が現金決済ですが、主な原因は現金を電子通貨に交換する場所の必要性です。例えばイギリスではATMは10万人当たり100台ありますが、ケニアでは6台です。交換する仕組みが無ければ、住民は現金を持ち続けます。」
「この影響を受けるのが商業金融です。中小企業の4分の3が銀行から融資を受けられません。銀行取引が無いので信用が得られないのです。」

アフリカ大陸独自の取組や解決策はないのか。
ウガンダのグリーンタウン運営者に聞いた。シアバターで生計を立てるコミュニティプロジェクトの一部として、P2Pの互助型金融を展開しているという。
「社会の抱える問題を様々な角度から対処しようとしています。飲料確保、学校や医療、生活雑貨の流通などです。最終的には資金的に持続可能な状態を目指します。」
「信託による自前の銀行システムも構築しています。30人の小規模で、資金を持ち寄って預金したり借入したりしています。運営者は、小規模銀行システムの運営キットを提供しています。帳簿やペンや計算機や手順書といったものが用意されています。」
「99%の村々では銀行口座がありません。最寄りの銀行は100キロ先です。金融経済の蚊帳の外に置かれないためにも、こうしたシステムが必要なのです。このシステムでは、信託ということが非常に重要です。そして、信託のメンバーはお互いをよく知っています。この金融システムは社会生活の一部なのです。」

一方、金融代理店はどのように機能するのか。
「地元の金融機関に加えて、酒屋や自動車工場等を代理店とするのです。代理店を通じて、人々は公共料金を支払ったり、海外からの仕送りを受け取ったりします。銀行口座を開くこともできます。代理店にとっても、手数料による副収入を得ることができます。」
「代理店制度は2000年代後半にアフリカで始まりました。ケニア全土に銀行網を張ることは大変です。そこで、コミュニティショップにある釣銭用等に確保されている資金の活用に目を付けたのです。モバイル通貨や銀行の利用者にも便利で成功した仕組みです。」

これらの仕組みは、目新しいものでは無いともいえる。以前からアフリカでは見られたものだ。大銀行とは協業できないのか?
「大手銀行もコミュニティバンキングに参画しています。成功例として、ケニア大手銀行は6万の代理店網を構築しています。」

コミュニティや人々にとって、どのような仕組みが適しているのか。もう一度、グリーンタウン運営者に聞いた。
「グリーンシティでもデジタルバンキングの可能性はあります。しかし、デジタルバンキングは事業者向けです。農村部では、デジタルバンキングを必要とするほど人々は金を持っていないのです。まずは、金融社会への関わりを持たせることが必要なのです。」

M-PESA(Mぺサ)

アフリカの代表的な決済システムといえばM-PESAでしょう。ケニアと南アフリカを中心に展開している、携帯電話を使った決済、送金サービスです。最近でこそ日本でもモバイルペイメントが盛んになってきていますが、M-PESAは相当前から携帯電話を使って同じような、もしくはそれ以上の機能を実現しています。しかもアフリカで、です。


M-PESA

M-PESA is Africa's most successful mobile money service, providing access to financial services for millions of people. Learn more about M-PESA here.

M-PESAはアフリカのいわゆるガラケーでも機能が発揮できるよう、SMSでのやりとりが基本になっています。要は、相手の電話番号に対して送金したり、自分の口座から現金を引き出したり、預金や借入をしたり電話料金や電気代金を支払ったり。

今日のエピソードのように、銀行の支店網を展開するのはインフラの整っていないケニアや他アフリカ各国では容易ではありません。一方、携帯電話は固定電話網のインフラがなくても使えることから、2000年代になって急激に普及しています。そして、自分のM-PESA口座にお金を入れたり逆に口座からお金を引き出したり、これを代理店になっている村の売店で行うのです。日本のコンビニで決済するようなものでしょうか。ボーダーフォンのホームページによれば、代理店の数も40万を超えるとのこと。日本のコンビニどころではありません。

こうした面白い仕組みが生まれてくるのも、アフリカの魅力かもしれません。

BBC Africa Dailyでアフリカを知ろう

BBC Soundsで配信されるAfrica Dailyのエピソードを聴いて、英語ヒアリングの練習と一緒にアフリカの出来事に目を向けてみる記事。平日毎日配信されるエピソードをなるべくカバーするよう頑張りますが、無理のない範囲でやります。また、エピソードに関連する情報や気になることも合わせて付け加えます。

なお、記事の内容はエピソードを個人でヒアリングの上あるだけの知識で意訳しているもので、誤訳や解釈だらけかもしれません。これらから生じるいかなる不利益にも責を負いません。

また、エピソードの配信期間は配信初日から1年です。


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