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【Africa Daily】ナイジェリアは石油の恩恵を受けることができるか?

2021/09/06

Africa Daily ナイジェリア

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【Africa Daily】ナイジェリアは石油の恩恵を受けることができるか?
(Unsplash)

今日のエピソード


BBC World Service - Africa Daily, Can all Nigerians benefit from oil?

Nigeria’s oil industry is being shaken up by a new law – but what does it all mean?

領土内で原油が見つかるということ、それは金を意味する。金は国民の生活を変えることができる。学校・道路等。しかし、政府が正しく管理することが出来なければ?ナイジェリアの南部のように。ここは巨大な産油地帯であるにも関わらず、市民は未だにその恩恵を受けることができていない。

長きにわたる政争の種であったが、最近のニュースによれば将来は変わるかもしれない。石油産業法の改正だ。長年の課題や問題が解決されるというが、どのような変化があるのか?

改正石油産業法は成立迄20年近くがかかっているが、ついに大統領は法案に署名した。

「ナイジェリアは石油産業に他の産業振興が依存しています。ナイジェリアの石油産業は50年以上前に定められた法に基づき管理されており、石油産業の成長や国家経済の繁栄のための変化が足りていません。」


この法律が無ければ、従来の廃れた法令のおかげで数十億ドルもの石油産業向け投資も得ることができないという。しかし、それだけが問題ではない。石油生産は、周辺のコミュニティには負担となるのだ。コミュニティ・アクティビストに聞く。

「ナイジェリアの石油生産は数十年にわたり利益をもたらしています。しかし、市民にとって石油生産は災害のようなものです。環境や農業・畜産業にも悪影響を及ぼしています。石油生産はニジェール・デルタを越えて広くナイジェリア社会と経済に大きな負担となっているのです。」


石油産業再編の法令が実現しても、多くの解決すべき課題があるようだ。しかし、この法律の制定は大きなインパクトがある。

「これは大変な出来事なのです。」業界団体の関係者は言う。

「最初に議論が見られたのは2000年代初頭です。これはナイジェリアの石油産業全体の競合に関わるものであり、大きな賭けとなる法案です。いろいろな利害関係の調整を経て、大統領の裁可に到達したということは、本当に大きな出来事なのです。」


業界再編は、産業の規模とナイジェリア経済への影響の大きさから、容易ではないという。

「石油産業による外貨獲得は全体の80%、石油収入の経済への配分には国中から強い要求があり、議員には利害関係者からの強い圧力もあります。そうは言っても、法令制定で良いこともあります。例えば生産費用の3%はコミュニティに基金として配分されます。これらは主要な官公庁の合意によるものです。」

「過去20年にわたり、ニジェール・デルタはいくつもの武装派グループが出現しています。そして地域の要望は、石油収入の適切な配分です。コミュニティへの配分の目的の一つは、和平と経済的妥当性の確保です。」

大統領は、法案は地元にとって良い仕組みと考えている。

「法案は、コミュニティにとって持続的な開発を通じ直接的な恩恵をもたらす仕組みとなります。コミュニティには、恩恵があるということをきちんと法案から読み取ってほしいのです。」

しかし、コミュニティ以外にも関係者は大勢いる。3%の基金で皆を満足させることはできるのか?更にコミュニティ・アクティビストに聞く。

「新法案では、新規石油・ガス開発や天然ガスの液化等の事業可能性を高めることになるでしょう。しかし、環境保護の観点からは目新しいものはありません。必要なものは、強い権限を持った独立した環境保護機関ですが、新法案には何も織り込まれていません。」

「コミュニティに対する配分は、当初は投資持分の10%のはずでした。それが生産コストの3%に変更されています。これは大きな違いです。」


コミュニティは新法案に完全には納得していないようだが、石油企業はどうか?業界関係者に改めて聞く。

「税金やロイヤルティ等の確実性が高まることになり、歓迎すべきニュースです。コストの3%が基金に配分される点については、基金の体制や統治等を、透明性や不正防止の点から確認が必要です。法案の成立により、社会支援プログラムがこれから動いていくことになるでしょう。」

「石油業界は、今後世界のエネルギー動向を注視する必要があるでしょう。気候変動と脱炭素の動きの中で、投資家のファイナンスにも影響を及ぼしています。石油は今後10〜20年はアフリカ経済の中心で居続けるでしょう。しかし、海外投資の魅力が薄まる中、国内産業化していく必要があると思います。」

ナイジェリアの石油生産

本日のエピソードの主題である石油産業法の施行については、ナイジェリアでは重要な出来事であり、これまでにも多くの報道がなされています。

ジェトロでもビジネス短信で同法の施行について伝えていますが、本日のエピソードと概ね同じポイントが指摘されています。


石油産業法が施行(ナイジェリア) | ビジネス短信

ナイジェリアのムハンマド・ブハリ大統領は8月16日、石油産業法案(Petroleum Industry Bill: PIB)に署名し、石油産業法(Petroleum Industry Act: PIA)が発効した。連邦政府は、鉱業セクターの透明性確保と財政健全化を目的として2000年から法整備に向けた作業を進めていたが、当事者間の利害関係調整に難航していた。政府としては今回の施行によって、これまで不透明だった諸税制度を明確化し不正や汚職を撲滅するとともに、税金やロイヤルティーを減免することで新規投資を呼び込みたい考えだ。

ナイジェリアの人口はアフリカ諸国最大ですが、天然ガス埋蔵量、石油産出量もアフリカ大陸最大であり、アフリカ有数の経済大国です。大きい石油産出量にも関わらず、可採年数はサウジアラビアなど除くOPEC諸国の3倍超、サウジアラビアとも同等レベルの68年(2017年時点)と、引き続き石油生産中心の経済となることが予想されます。国内の所得格差は大きいですが、大きな経済規模から、アフリカ経済の中心を担い続ける国であろうことは間違いありません。

その中で、現在のイスラム教徒であるブハリ大統領による政権は、地盤の北部に偏重した政策により石油地帯である南部で様々な問題が生じているとの指摘もありました。こうした問題により、ナイジェリアでの石油生産が行われなくなることを危惧する向きもありましたが、石油産業法の施行により、状況が改善されることを期待したいものです。

BBC Africa Dailyでアフリカを知ろう

BBC Soundsで配信されるAfrica Dailyのエピソードを聴いて、英語ヒアリングの練習と一緒にアフリカの出来事に目を向けてみる記事。平日毎日配信されるエピソードをなるべくカバーするよう頑張りますが、無理のない範囲でやります。また、エピソードに関連する情報や気になることも合わせて付け加えます。

Africa Dailyの休み明けから、こちらの記事も少しずつ再開していきたいと思います。

なお、記事の内容はエピソードを個人でヒアリングの上あるだけの知識で意訳しているもので、誤訳や解釈だらけかもしれません。これらから生じるいかなる不利益にも責を負いません。

また、エピソードの配信期間は配信初日から1年です。


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